使用材料等

使用塗料

2液性ウレタン塗料  車両にも使われている塗料で、塗料自体は10年近く使用することを前提として作られているものとなります。ただし、車両とは異なり、床、枠など常に力が加わる、歩く・触れる機会の多い場所など、使用環境によってもちろん耐用年数に誤差は出て参ります。

耐熱・耐水・耐ガソリン(耐油性)のため、施工後のワックスがけも可能となります。夏場の窓際など直射日光が当たりやすく熱が持ちやすい場所にも施工可能です。

ある程度歩行や接触可能な状態でお引渡させていただいておりますが、内部まで完全硬化はしておりません。施工直後にウェットタイプのクイックルワイパーなどで拭くと、乾いていた表面が解ける場合があります。水拭きなどのお掃除、物の配置は翌日以降にお願いしております。

ワックスがけ、コーティング等更に手を加える場合にも翌日以降にお願いしております。

塗料に対する考え方

如何に長く保ち続けることが出来るのかという事を考え、塗料の方選んでおります。

一番は水や湿度・温度変化、直射日光にどれだけ耐えられるのか という事が重要だろうと個人的に思っています。

趣味でバイクの塗装なんかもしていますが、常に外にある状態で、直射日光がガンガンあたり、気温変化もダイレクト。雨風ももろ浴びる環境の中で使用している塗料がどれだけ変化し、どれだけ耐えられるのか。そういった実験も兼ねています。

2015年~2016年頃に仕上げた外装パネル。

2023年3月撮影

艶は若干落ちているものの、色味を薄く仕上げているためもともとこんな色です。度々転んだり擦ったりぶつけたり、傷だらけですが、そこからの剥がれ、大きな変色などは見られません。

2023年3月撮影

これは外装パネルから1、2年後の施工のもの。

メットを吹っ飛ばしたり転がしたり落としたり、散々なことをやらかして傷だらけですが、こちらも剥がれ、変色、割れなどは起こっていません。しかも、これはもともとブラックカラーのメットで、その下地をそのまま利用して塗装しています。(下処理を手抜きしたもの)

この塗料は元々独立したての職人が使っていて、参考に使い始めたのがきっかけでした。他の塗料と比べてどうだろうかと色々調べましたが、この塗料の成分や効果を調べていくと、他社製品と比較して良さそうだと判断し長年愛用しております。

塗料の説明にもあった通り、それらを証明してくれています。

外装パネルと比べると艶感が違って見えますが、これはクリアの種類を比べたくて、それぞれ違うもので仕上げています。メットの方がシャープなクリア。年数が経つとクリアの質が明確になります。ただし、クリアをご指定でご依頼する場合には乾燥時間も異なって参ります為要相談となります。

部材とパテの密着性も考慮する必要性

塗料の質が良くても、部材と塗料の間にパテを挟む場合にはパテと部材の密着性も考慮する必要が出てきます。

パテの範囲が大きくなるほど部材への密着性、強度が求められます。扉の穴の修繕などにおいては、日常的に開け閉めが行われ、穴の場所によっては掃除機やロボット掃除機等が当たる場所であり、部材への密着性の高さを求められます。

このようなことから、土台、パテ、塗料などすべて含めた強度を追求し、実用性のある補修ができないかを追求しております。

リペアは『たかがリペア』と言われるものなのか

現場監督、他業種の職人から見ると、部分補修は変色、剥がれが起こりやすく粗雑な印象を持っていると独立前から言われていました。独立前は特に、

『こんなの職人の仕事ではない』

『ただ色乗っけるだけの簡単な仕事』

『こんなの俺でもできる』

という見られ方をして参りました。心無いことを言われたことも多くございました。

雇われ時代の時に、リペアの技術だけではなくリペアの考え方など諭してくれるような人がいればまた違ったかもしれませんが、完全に『リペアって悪いものなんだ』と思わされた時代がありました。

マンションの内覧会の修繕でも、補修屋は絶対に客の前に姿を見せてはいけない。

居てはいけない存在というような形で当時施工していたこともありました。

新築だからきれいな状態なのが当然。気を付ければ増えない傷もありますが、人の出入りが多いほど、どうしても出来てしまう傷もあります。時代が変わるにつれ、傷に対する目もシビアになり、新築引渡し前の修繕なども多くなったと思いますが、これはより良い状態でお客様にお引渡しするためであって、リペアは別にやましいことでも何でもなく、お引渡しするまでの工程の一つです。それを変に『悪いもの』『見せてはいけないもの』という風潮にした業者等に対しては非常に不信感を感じます。

そして、工期重視になれば全体的な職人の作業にもばらつきが生じ、その分傷が増えることにもなります。このため補修業界ではできる限り早い方法での提供を考えて材料を開発したり現場に寄り添ってきたはずです。一般的な補修材は確かに乾燥が早く、作業効率をよく考えられているとも思います。しかし、今度は『どうせすぐ取れる』と言われてしまう。「とりあえず目立たないように」と補修会社に依頼しておきながら、質が悪いと文句を言われてしまう。そして「所詮補修」「たかが補修」と言われてしまう。

依頼するときにコーティングの有無は説明したのか?取れないようにしたいならそのような依頼をしたのだろうか?そもそも取れる取れると言われるが、どのような材料でどのように取れたのか?独立前の業者の依頼の仕方には疑問を感じて参りました。何もわからないまま補修をし、それで補修屋だけのせいにされているのはあまりにひどいのではないかとも感じておりました。一方的に補修屋だけが悪という言われ方をされるのは本当に悲しく悔しいことでした。

なぜここまで言われてしまう職種なのかと悩むと同時に、ではどうすれば役に立つリペアとして提供できるかを長らく考えてきました。私が独立したのは、腕に自信があったわけでもなく、取引先がいくつもあったからではありません。単純に色々とおかしなことを何とか修正できないかと考えたからでした。

一言で『リペア』と言っても、様々な方法があり、ご提供方法も様々かと思います。どのような修繕をお求めで、何が必要なのか?納期、速さ、質、それぞれ得意とする補修屋がいるかと思います。もっと補修について認知度が高まり、補修会社、補修職人が働きやすい環境になればと思っております。