
・2014年
chopin-repairとして独立
東京都葛飾区にて開業
退去後修繕及び新築引渡し前の修繕メイン
ハードワックス、ラッカー系スプレー缶を使用しての提供。
着色時にハードワックスの表面が解け、平滑でなくなるなど作業上の問題があったため、なるべくハードワックスのみで木目の再現を行うなど工夫する
水性など解けない塗料での描き込みも検討したがすぐに取れる上に定着しないため材料の選定では除外
アルミ補修はすでに作業の一つとして手を出していたが、当時の施工は数をつぶすことがメインであった為、強度よりも見た目の仕上がり重視で進める
スプレーガンによる吹き付けとスプレー缶での吹き付けなど、補修方法は環境や場所により混在
ウレタン塗料の使用頻度はさほど多くはなかったが、実験を続け提供するに あたっての問題点、改善点をつぶす作業は続ける
・2018年
個人宅の修繕
当時は小さなキズを安価に治すことを目的に開始
依頼場所によってはハードワックスの使用も有り
ウレタン塗料も取り入れ始めているが、最終的な艶の微調整はスプレー缶に頼るなど完全なウレタン塗料のみの補修ではない
家具
小さな打痕、キズをメインに修繕、あるいは自然塗料でのお客様宅での研磨再塗装
家具、特にテーブルは毎日触り、拭き掃除をし、皿を置くものであり接触頻度が高い。
この為部分的な補修では通常よりも艶や色剥げなどが起こる確率が極めて高く、あまり積極的には受けなかった。
在宅での研磨再塗装は自然塗料限定の塗装ではあったが、色の種類も少なく、なにより作業しにくく様々なリスクが高い。
安価に直すことを考えて提供していたが、ある時現調で『わざわざ現調にまで来て努力だけは認めてやるけど、どうせ個人でやっているなんてバイト感覚でしょ?こっちはきちんとやって欲しいの。客のこと馬鹿にしないでよ』と言われ馬鹿にされたことで質を追求するようになる
※長らく個人で事業を行っておりますが、遊び半分での施工は一切行っておりません。
・2019年
塗料
この頃にはウレタン塗料の使用率は8割。同年後半には艶、色、クリアなどすべての塗料をウレタン一本にし補修。独立当初から研究している塗膜の経年劣化などからも、ある程度の強度が出ていると確認し、保証を付けた提供を開始
パテ
パテはハードワックスをやめてからずっと同じものを使用。ただし、深さがあり完全な焦げ(尚且つ取り切れなかった炭、灰)やペットの尿の成分には密着しないことが判明。特殊パテによる手直しなどで対応。
扉の穴補修に関しても、長らく同じパテを使用していたが、裏からの固定の甘さも原因の一つだがパテが動き輪郭が目立ってくる可能性が浮上。こちらも特殊パテでの土台作りを行い、施工方法は改善済み。特殊パテは今のところ一番信頼を置いているものである。踏んでも割れず、密着が強固なため穴補修の扉を叩いても問題なく補修箇所が定着・維持することも検証済み
家具の本格的な研磨再塗装
ウレタン塗料一本での塗装、磨き作業による家具(食卓テーブル等)の提供開始
塗料の調色が可能なため、お客様のご希望の色味、艶の再現が可能。
この頃から家具の研磨再塗装に関しては3~5年(物による)の保証もつけ始める
・2021年 茨城県に拠点を移し活動
・2023年
玄関用シート系素材の上に着色する前の工程において、既存シートの剥がれなどを抑えるために使用していた接着剤により施工後に既存シートごと一部が浮く可能性が判明。それまでの幾つもの施工では問題なかったものの、部材により異変が起こることを避ける為、それらを使用しない施工をすることに変更。
浮きが出た箇所については、浮いた箇所を既存シートごと切り取り、特殊パテを使用することで改善済み。
人工大理石
擦り傷や艶落ちなど表面的な傷に対しては全体塗装・磨き作業をせずとも施工可能に。作業効率化をはかり、尚且つお引渡後にお客様に気を遣っていただく必要もなく普段通りにご使用いただくことが可能な施工を確立。
・2024年
より細かな木目の再現を目指す。
扉の穴補修に関しては、日ごろの開け閉めによる振動に耐えうる施工をしたく、かねてより特殊系パテで土台を形成しているが、土台作りにより時間をかけるため、ある程度の大きさの物はお預かりでの修繕を始める。(硬化後の塗膜の定着化を見るため)
・2025年
カスタム塗装を開始。黒基調のシンプルなものから始める。
かねてより検討していた陶器の修繕に着手。新たな材料を採用することで修繕の可能性を見つける。
他社様施工の補修個所がベタベタするとお客様から指摘があって困っているとハウスメーカーからご相談を受け、弊社が現調後施工。数か月後、施工箇所及びその周りがベタベタするという指摘がでた。(キッチンカウンター付近)しかし、弊社の施工に問題があったわけではなく、油汚れ付着によるベタベタだったことが判明。(アイランドで油よけが通常よりも低い設計だった(施工不良ではなく、もともとの規格が低めだった))
このように、補修屋は補修屋の責任ではないものを補修屋の責任にされてしまうことがある。このようなことがあるからこそ、強度・施工手順を明確にし、研究を続ける必要があると考えている。
だから最初の相談の段階で、細かく業者には内容を伺っているが、その説明を面倒くさがる業者は大変多い。そして、何かあればこちらの責任になるのだ。無責任は果たしてどちらなのだろうか?
補修屋は職人ではないと見下す人は多い。しかし、理由が他にある物を、すぐに補修屋の責任にする人間が現場を理解しているとは到底思わない。
補修という物への理解が、長く現場に携わる人でも浅く、わからないということも再確認することとなった。
リスクのある施工に対し、責任逃れのために外部の業者にやらせ、何かあったら全てその業者のせいにすればいいという考えをお持ちの会社も実際にはいる。自分が未熟であれば、自分の施工のせいだと思い込み、どう責任を取ればいいかと大変悩んだだろう。研究というと、馬鹿にしてくる連中も多いが、こういうことから守るために必要なことである。
補修はそんなことのために存在しているわけではない。実に腹立たしく遺憾なことであった。
※弊社施工前の他社施工の補修跡のベタベタの理由は不明。床暖房がかなり高めの設定でお住まいだったこともあり、熱反応によるものの可能性もある。この可能性を考慮し、全剥離後再施工を行った。
11月発明知的財産研究会事務局より推薦頂き、東久邇宮文化褒章拝受。
同年より住宅・建築に関し、より理解を深める為大工の修行を開始